一般的には、「緑を守るためには木を切らないこと」が常識ですよね。
アマゾンの森林伐採などは大問題ですから。

でも、神奈川県のHPには、国産材木を使うことが森林のためになると書かれています。

「木を使ってかながわの森を守り・育てよう」
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f417247/p399414.html

「マイ箸は環境にやさしいはウソ」はウソかホントか!?

「木を使い捨てにする割り箸は良くない、環境のためにマイ箸を持ち歩こう!」というムーブメントがあったり、「いやいやなに言ってるの、割り箸はエコなんだよ」という説もあったり。環境問題ってイメージ先行の面もあるので、ほんとうのところは難しいですね。

安価な割り箸の多くは中国製で、中国では森林伐採が問題になっているので、使わない方が良さそうに感じます(塗り箸を使うと洗剤による水の汚染が、などという話になるときりがありませんが)。

その一方で、ナチュラルローソンでは2004年から「木づかい運動」として国産の割り箸が使われており、2008年北海道洞爺湖サミットでも、環境への配慮を示すアピールとして国産スギの割り箸が使われたそうです。

木を切ることが森を守ること!?

ちょっと混乱しますが、むやみな森林伐採が問題になっているのは東南アジア・南米・アフリカなどの熱帯雨林のこと。いま収穫期を迎えた日本の人工林は、木材を使うことが森を守ることにつながるのだそうです。

それがどういうことなのか、神奈川県森林再生課の案内で、丹沢県有林の伐採現場を見学に行ってきました。

2017年11月17日、まずは秦野市の神奈川県森林組合連合会林業センターへ。
セリで原木が売買されたり、加工材の販売をしたり、林業者の指導支援をしたりしているそうです。関係者以外はまず足を踏み入れないところですね。見学にはヘルメット必着!

実際に目の前にすると、木材の大きさ、量の多さ、機械類の音の大きさに圧倒されます。

シカは害獣!?

つぎは愛甲郡の丹沢県有林へ。車の窓に枝が当たるほどの狭い林道を延々上ります。カーブではひやひやするような難所もあり。途中からは車を降りて、整備されていない山道を徒歩で進みます。

中津川上流は紅葉が美しく、天気の良い日でしたが、市街地よりだいぶ寒く感じます。念のためリュックに入れておいたウルトラライトダウンをコートの下に着込みました。

足元をよく見るといたるところにシカのフンが。シカは草を食べつくし、樹皮を剥がして食べてしまう(樹が枯れてしまうそうです)ので、害獣として駆除の対象になっているそうです。

じゃあ、シカは何を食べればいいんでしょうね。
かれらも栄養状態は悪く過酷な環境なのだそうです。

本来はオオカミやクマなどの天敵によって数が制限されていたのに、人間がそれを絶滅させたから数が増え、食べ物が豊富な自然林は減っている。ほんとうはシカだって栄養価の低い針葉樹の樹皮などは食べたくないけど、生きるためには仕方ない(ほんとうの害獣はニンゲンかもしれません)。

そして、駆除されたシカがジビエ料理などに利用されているかというと、安定供給できるわけではないので処分場も作れず、利用できていないのが現状だそう。

「かわいそうだし、もったいない」と県職員の方も話していました。

 

山道を歩いて伐採現場に到着

ようやく標高800mほどの伐採現場に到着。シカに樹皮を食べられたために立ち枯れてしまった木を使って、いよいよ伐採のデモンストレーション。テレビなどでは見たことあるけど、目の前で見るのは大迫力です。

倒したい方に切り込みを入れ、反対側から切っていくと狙った方向に狙った速度で倒せるのだそう。

急斜面での作業は危険な重労働です。
樹齢50年ほどのスギがばったり倒れました。

 

日本の森林率は先進国の中ではTOP3

国連食糧農業機関(FAO)のデータによれば、日本の森林率は68.5%でOECD加盟国の中ではフィンランドに次いで世界第2位(Global Forest Resources Assessments 2015)。算出方法によってはスウェーデンに次いで3位というものもありますが、世界平均が3割ほどなので、いずれにしても先進国の中ではトップクラス。

森といえばカナダやヨーロッパのイメージだったので、ちょっと意外ですね。総面積ではなく、国土面積に対する率なので、森林以外の農地や牧草地、砂漠や荒野が少ないということでしょうが、日本が森林国であることは間違いありません。

それなにのに日本の材木自給率は3割ほど。森林率30%のドイツの自給率は87%ということです。

なぜ日本は材木自給率が低いのか!?
なぜ木材を使うことが森を守ることになるのか!?
人工林ではなく自然林でもいいんじゃないのか!?
森を守るためになにがいいことなのか!?




数々の疑問を抱きつつ、民営国民宿舎の丹沢ホームでカレーの昼食。
午後は山を下りて相模原市の製材所見学へ向かいます。
パート②へつづく→ 神奈川県有林の伐採現場を見学に行ってきました②