CRS・社会・環境

神奈川県有林の伐採現場を見学に行ってきました②

①からのつづき
神奈川県有林の伐採現場を見学に行ってきました①

午後は相模原市の製材所へ

かながわ県産木材産地認証を受けている業者さんの製材工場に到着。
だいぶ地上に下りて、山が遠くに見えます。

大型の機械と材木がたくさん並び、フォークリフトやトラックが行きかうので、うかうかしていられません。見学はやっぱりヘルメット装着。

丸太が入る→ 樹皮が剥けてる→ 角材が出てくる→ すべすべになってる
もう勝手にゴロゴロ転がっていきます。
 

樹皮や端材はチップに。
これは製紙会社が引き取りに来るそうです。

国産材や間伐材が何%か配合されていると、環境対応紙だと示すことができる様々な機関による森林認証の取り組みもありますね。
 

材木を乾燥させる乾燥機。ボイラーの燃料はもちろん材木チップ。

なぜ日本は材木自給率が低いのか!?

日本は森林率が7割もある森林国なのに材木の自給率は3割ほど。
安い外材に押されて、というのが定説です。

20年前には2割ほどまで落ち込んでいた自給率が、2007年にロシアが針葉樹原木の輸出関税を引き上げると徐々に回復しています(林野庁、木材需給表より)。

また、価格だけではない事情もあるようです。
日本は山林の所有規模が小さい、流通までに中間業者が多い、急峻な地形のため作業を機械化しにくいなどの事情がある一方、大手ハウスメーカーが求めるのは大量に安定供給できる均一な商品。

森林率3割のドイツでは材木の9割近くを国内で賄っており、林業が産業として成り立っています。材木生産のための森林面積はほぼ日本と同じなにの、5倍の材木が生産されているそうです。

人工林ではなく自然林でもいいんじゃない!?

日本では、第二次世界大戦の復興期から高度成長期の需要をまかなうため、国政としてさかんに造林が行われました。国土の7割を占める森林の4割は針葉樹を中心とした人工林だそうです。

森に住む動物たちにとっていいのは、日本の自然な状態の広葉樹林。落葉して日が差すので下草が生え、ドングリなどの実もなる食糧が豊富な森。

すべて自然林では資源にならないなら、切り出しが困難な山奥や山頂付近は自然林に返し、比較的低地のエリアを材木生産林とすればクマやシカとの住み分けもできるかもしれません。そういった取り組みも少しづつ始まっているようです。

なぜ木材を使うことが森を守ることになるのか!?

建築材としてふさわしいのは樹齢50年ほどの木だそうなので、いま日本の森はまさに収穫期。それなのに、多額の投資をした資源が回収されずに放置されている状況だそう。切り出す費用の方が高いから。

国産材を使った建築には補助金がつく場合もあるそうです。それでは林業という事業として成り立っていない気もしますが、なんとかして森林サイクルを循環させていかないと、このままでは森林資源を次世代に残せないことになってしまいます。

森は多様な生き物の住み処であり、CO2や温暖化問題、自然災害、きれいな水、きれいな海など、すべてにつながるもとになるところですから、守っていきたいですね。

森を守るためにできること

課題は多いものの、現時点で森を守るためにわたしたちにできることは、つぎのステップにつなげるためにも、「いまある国産材を有効に使って森を動かす」ということのようです。

微力ながら、わたしも花の装飾で、かながわ県産材木を使いたいと考えています。
でも、今回の見学で材木業界のスケールの大きさを目の当たりにして、とてもわたしのちまちました話など聞いてもらえないだろうと半ばあきらめかけていたところ、製材所社長のご理解を得て、ただいまプロジェクト進行中!
(こんな数センチ単位の注文は面倒くさいだろうと思います。ありがたいことです)

建築のようにたくさんの木を使うわけではありませんが、多くの方に気軽に「森を感じて、森を楽しんで、森を守る」ことに参加していただけるものにしたいと思っています。

詳細は2018年1月に発表予定です。
しばしお待ちください。

 


「県産木材活用推進セミナー」
主催:神奈川県環境農政局緑政部森林再生課
毎年秋に開催されているようです。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f490039/